猫がのんびりと寝ている姿や体をきれいに毛づくろいをしている姿って、よく目にしますよね。
猫は1日の3分の2を寝て過ごすと言われており、残りの時間のそのまた3分の1はグルーミングに費やすぐらい、毛づくろいをします。それこそ猫にとってグルーミングは、沢山の時間を費やしてもやりたい大事な行為なのでしょうね。
しかし、Twitterのフォロワーさんの愛猫なんですが、ハゲが出来てしまうほど過剰にグルーミングをやってしまうのだそうです。
なぜ猫はグルーミングをするのか、過剰にグルーミングをやってしまう原因と対処法のついて調べましたので、ご紹介しますね。
グルーミングはなぜするの?
体を清潔に保つ
猫のザラザラの舌がブラシの役割をして舐めることで、体全体を清潔に保っています。
野生の頃、狩りをする際に獲物に気づかれないようにするため、グルーミングをすることで匂いを消しているとも言われています。
体温調整を行うため
猫の汗腺がほとんどないため、人間のように汗をかいて体温調節が出来ません。
夏の時期は、グルーミングすることで唾液が汗の代わりになり、気化熱で体温を下げているとも言われています。
冬の時期は、グルーミングすることで体の毛と毛の間に空気の層を作って保湿効果を生んで体温を逃がしにくくします。
栄養(ビタミンD)の補給
猫は太陽の光を浴びることで、身体の表面にはビタミンDが作られます。
ビタミンDは猫の健康に欠かせない栄養素のひとつで、骨や歯の発育に影響を及ぼすとも言われています。
グルーミングすることで、猫に必要な栄養素も摂取しているんですね。
コミュニケーション
猫同士がペロペロと舐めあう光景を目にしたことがあると思いますが、猫自身が他の猫を仲間と認めて信頼していないと行わない親和行動のひとつです。
この他の猫に行うグルーミングを「アローグルーミング」といいます。
「アローグルーミング」は大切なコミュニケーションの1つの方法なのです。
精神を安定させる
猫は体を舐めることで精神安定させることができます。
「転位行動」という言葉を聞いたことがありますか?
ネコが不安を悟られないためとか、失敗した時の照れ隠しに頭をかくとか、本心を知られないようにグルーミングでカムフラージュをするのも転位行動である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
失敗したり、驚いたり、怖い思いをした時に、気持ちを落ち着かせるためにもグルーミングをします。
何らかのストレスを感じた場合にも、ストレスを解消するためにグルーミングをするとも言われています。
ストレスによるグルーミングは、過剰グルーミングと大きな関係があります。
過剰グルーミングとは
「舐性皮膚炎」とも呼ばれています。
猫のザラザラの舌で、何度も同じ場所を毛づくろいすることで毛が薄くなり、やがて皮膚がむき出しになってハゲているように見えます。
そのまま放置すると、むき出しになった皮膚を直接舐めるので、皮膚がめくれて炎症を起こしたり、傷が出来たり出血してしまいます。
毛が薄くなったなと思ったら、すぐに動物病院に連れて行ったほうがいいですね。
過剰グルーミングの原因は何?
何らかの物質的な刺激とストレスが原因とされています。
猫はとても敏感なため、ノミやダニなどの虫刺されやホコリや水などの液体が触れたりすると舐めてしまいます。
他にもアレルギー反応や、怪我や手術跡が気になって舐めてしまう場合もあります。
これらの刺激を感じ取ってしまい、その部分を何度も舐めてしまうのです。
ストレスが溜まると猫は、自分の体を舐めてストレス解消しようとします。
いずれにしても、何か原因なのか一度動物病院などの専門科に相談したほうがいいですね。
ストレスが原因と診断された場合の対策
猫がストレスを感じている原因を探して、取り除くことで改善が期待できます。
室内外の大きな音・騒音
猫は突然出た大きな音を嫌います。
電話の呼び出し音、TV、ドアのチャイム音などはボリュームを下げるなどして調整すると良いです。
周辺での工事の音、近隣住民の生活音などは、人間でもストレスを感じますので、耳がよく聞こえる猫はもっとストレスを感じていると考えられます。
電化製品の低い音
猫は電化製品から出る低い音をあまり好きではありません。
長時間低い音を立てるものは、あまり猫のそばに置かない方が良いですね。
飼い主が騒音出している
実は飼い主自身が騒音を出していることもあります。
大爆笑して手を叩いていたり、スポーツ番組を見ていて興奮のあまり大声で叫んでいたり、家族同士のケンカや子供の奇声などもストレスに感じているかもしれません。
蛍光灯の灯り
猫の目には蛍光灯の光が点滅して見えている可能性が高いのだそうです。
この光を嫌がる猫もいるので、LEDライトなどへ切り替えるもの良いです。
部屋の模様替え、引っ越し
猫は環境が変化することは、あまり好きではありません。
特に猫の食器やトイレなど、普段用いるものを交換する際は注意した方が良いですね。
引っ越しは特に要注意です。
部屋の内外が急激に変わってしまうので、猫にはかなりのストレスになります。
今まで猫が使っていたものは極力持って行って、変化を最小限にする必要があります。
住環境を変える時は、少しずつにしてあげた方が猫のストレスが少なくてすみます。
室内や飼い主のニオイ・香水・アロマ
猫はフローラル系の調合香料として使われている「メチルノニルケトン」という成分のニオイが猫は苦手なのだそうです。
石鹸、洗剤、柔軟剤、消臭剤、芳香剤の発散する匂いでフローラル系の場合は、成分を確認したほうが良いです。
極力無香料を選ぶように心掛けたほうが良さそうですね。
エッセンシャルオイルや、それを薄めたアロマオイルは、猫に中毒症状を引き起こす可能性が高いものが多いので、アロマを焚いたり、オイル入りの洗剤を用いたり、アロマ入浴剤などの使用は避けるのが良いです。
エッセンシャルオイルの危険性についての記事です。
猫同士の不仲
多頭飼いの場合には猫同士の相性が悪いと、大きなストレスとなります。
特に老猫が子猫と一緒に暮らすようになった時には注意が必要です。
どうしても仲良くならない場合は、一時的に猫同士を離すことなどの対策が必要になるかもしれません。
苦手な部分を触っている
猫はおなかや足の先などを触られるのを嫌がります。
無理やり触わったりすると自身を守ろうとして反撃してくることもあるので注意が必要です。
叩くように触っている
猫はお尻以外の部分をポンポンと叩かれることはあまり好きではありません。
触るときは優しく撫でてあげるのが良いですね。
長時間の留守番
飼い主さんのことが大好きな猫で、家でいつでもくっついてくる甘えん坊な子は、飼い主さんがいないことで不安になることがあります。
特にオスに多いそうで、帰宅したらトイレをわざと失敗していた、家が散らかっている場合は寂しさからのストレスが原因かもしれません。
帰宅したら、出来る範囲で遊んであげたほうが良いですね。猫は持久力がそれほどないので、1回の遊びで10~15分くらい遊んであげると満足してくれるようです。
トイレが汚い
猫はキレイ好きなのでトイレにはとても敏感です。
長時間の留守なのでトイレを清潔に保つのが難しい場合は、複数設置すると良いですね。
運動不足
室内飼いの猫は、運動不足はつきものです。留守番などで暇になり、寝て過ごす時間が長くなり、運動して発散できないのでストレスを感じていることもあります。
運動不足解消のためには、高低差を利用するのが良いですね。キャットタワーやキャットウォークを設置したり、階段の上り下りをしたりするなど、猫が自然と高低差を利用して遊べれば、運動不足やストレス解消にも良いですね。
猫じゃらしなどでジャンプさせたり、狩りに見立てた遊びをするもの効果的です。
猫がストレスを感じたときに、体の中で一番舐める部位はどこ?
それは”お腹”です。なめる場所は猫によって違いますが、よく見られるのは猫が舐めやすい場所 お腹、腰、お尻、後ろ足 などです。
まとめ
猫が体を過剰になめる原因はいくつもありますが、グルーミングは猫にとって大事な行為です。しかし過剰にしてしまうと肌トラブルになるので、原因を突止めて早めに取り除いてあげることが大切ですね。
愛猫がかわいそうなことになる前に、注意深く様子を観察して対処してあげてくださいね。