猫のヘソ天(仰向け寝)する姿は見てるだけで、癒されて“ほっこり”した気分になる、とってもかわいい仕草ですよね。
お腹を見せて“トローン”とした表情でこちらを見てくるので、「撫でて欲しいの?」「触って欲しいの?」と思ってしまいますが、ヘソ天には猫の色々な心理が隠されています。ヘソ天はどんな時にするのか、ヘソ天する理由や隠された心理について紹介したいと思います。
ヘソ天する理由とは
ヘソ天とは、猫がおへそ(お腹)を天(空)に向けて、仰向けて寝ている状態のことです。
こんな無防備な姿をするは、どうしてなのでしょうか?
安心しているから
ヘソ天で寝ているのは、完全に安心しきっているからです。
外で過ごす猫は、外敵や自分の縄張りに侵入する猫を警戒しながら日々生活をしています。
猫だけでなく、動物のお腹は骨格で覆われていない弱い部分であるため、いつ外敵に襲われるかわかりません。急所をさらけ出す行為は大変危険ことなので、自然界ではあまりヘソ天で寝る姿は見られないようです。
それに引き換え家で過ごす飼い猫は、外敵が侵入することもないので警戒せずに、飼い主のそばでゴロンとリラックスして寝ることが出来るのです。
猫を迎えてヘソ天をしてくれたら、安心できる環境であり、飼い主さんに対しても心を許してくれているということになります。
ヘソ天は子猫の時に多く見られる姿で、外猫でも子猫の時期は母猫の側でヘソ天をします。これは母猫の側で安心しているからです。その他の理由としては、子猫の時はまだ外敵がどういうものかわからないというのも、あるのかもしれませんね。
構って欲しいから
猫がこちらを見てからクルンとヘソ天して、前足で手招きをしているポーズをしていたら、構ってほしいとサインかもしれません。
この姿勢は、子猫同士で社会性を学ぶ遊び「ベリーアップ」と呼ばれるものがあり、「あそぼうよ~」「獲物になるからかかってきて!」と誘って相手猫が受ければ、そこからはレスリングの始まりです。このように飼い主さんに対しても同じように「あそぼうよ~」「かまってよ~」と言っているようですね。
このような時に不用意に手で触ってしまうと、手に絡みついて噛まれたり、キックされる可能性があります。構って欲しいサインの時は、猫じゃらしなどのおもちゃで遊んであげるといいですね。
私はこの構って欲しいサインを「撫でて欲しいんだね!」と勘違いし撫でようとしたところ、手を何度も噛まれてしまいました・・・。
甘えているから
少し離れて過ごした時、例えば外出から帰ってきた時や別の場所にいて猫の側に寄った時、目の前でクルン・ゴロンとヘソ天するポーズは、甘えているサインかもしれません。
これは「なでて~」「かわいがってほしいな~」という思いで、ヘソ天ポーズをとっているのです。ヘソ天ポーズをするということは、信頼している大好きな飼い主さんと離れていて寂しくて、甘えているんでしょうね。
このような仕草をしてくれると、猫がさらに可愛くて仕方なくなりますね。
暑いから
夏場にヘソ天ポーズで寝ている姿は、単に暑いからなのかもしれません。
ふわふわな毛に覆われている猫は、夏になれば夏毛に生え変わりますが、汗をかくことが出来るのは鼻と肉球だけなので、人間のように全身汗をかいて体温調節が出来ません。
毛づくろいで唾液を被毛につけて、気化熱を利用して体温を下げることをしていますが、それにも限界があります。そこで夏の暑い時期の猫は、仰向けの状態になってお腹から体にこもった熱を逃がそうとしているのです。
うちの猫がヘソ天をする頻度ですが、やはり冬より夏の方が多いように思います。
冬や夏にもエアコンで快適な温度に調整していますが、家の中全部が快適ではないのかもしれません。冬に暖房で部屋を暖めていますが、よく丸くなって寝ています。
その反対に夏は、冷房で部屋を涼しくしていますが、床に溶けたように転がっていたり、ヘソ天で寝転んでいる姿をよく目にします。床の冷たいところを探して、寝転んでいるのかもしれませんね。
発情期だから
発情期になるとメス猫がオス猫に対して、ヘソ天ポーズをとってアピールすることもあります。普段は警戒して他の猫を近づけないようにしていますが、繁殖のために「近づいてもいいのよ」という意味合いで、隙を見せるヘソ天ポーズをします。
しかし飼い猫のようにぐっすり寝るのではなく、警戒しつつもウトウトとヘソ天ポーズで寝るという感じです。
ヘソ天になっている時の注意点
ヘソ天して寝ている猫は、むやみに触ったり、抱っこしたり脅かしたりしてはいけません。
危害加えられない安心できる環境だからこそ、無防備なヘソ天した姿でゆっくり眠ることが出来るのです。しかし寝ているところを触られたり、いきなり抱っこをされたりして起きてしまったら、猫は不快な思いし今度は警戒するようになり、安心して眠ることが出来なくなります。
せっかく心を許してくれた猫が、ヘソ天が見せてくれなくなる可能性もあります。信頼関係が築けているからこそヘソ天で寝てくれているので、そっとしておいてあげてくださいね。
甘えている時のヘソ天は、「さわってほしい」「なでてほしい」ので、その時は撫でてあげてください。でも猫は気まぐれな動物なので、どのくらい撫でてあげたらいいのかは、しっぽを見て判断してあげてくださいね。しっぽが大きくバタバタと叩きつけるような動きをしたら、嫌がっていますので、撫でるのをやめた方がいいですよ。
猫と良い関係を築いていくには、加減が大事です。よく猫の様子を観察してあげてくださいね。
まとめ
ヘソ天は安心できる環境と、信頼で心を許してくれている飼い主さんだからこそしてくれるポーズです。飼い主さんでないと見られない特権とも言えます。
愛猫にヘソ天をしてもらうのは、飼い主冥利に尽きますね。これからも良い関係を築いて、いつまでも実際に見ることが出来る「生ヘソ天」を堪能したいものですね。